今まで書いてきたように、絶対音感を持っている人の場合、なんらかの手段で、音と音程を結び付けているわけですが、その結びつき方というのは、本当に様々です。
ただ、その結びつきが、時として、弊害をもたらす場合があります。
どういう状況か、具体的にイメージしてみたいと思います。
ちょっと前にテレビで「黄色で赤という文字が書かれているのを見て黄色と言う」というゲームをやっていました。これは、実際やってみると結構難しいです。なぜ、これが難しいのでしょうか?
ここで、赤という文字が赤色で書かれていれば、全く問題はありません。イメージどおりの色で書いてあるわけですから、何の紺らもなく、「赤!」といえるはずです。
あなたの頭の中では、「赤という文字」と「赤い色」は結びついているはずです。ですから、赤い文字を見ると「赤色」を連想すると思います。
ところが、今回の場合は、「赤という文字」が「黄色い色で」書かれています。
通常、頭の中では「赤という文字」と「赤い色」は結びついているはずですから、赤い文字を見ると「赤色」を連想すると思うのですが、今回のケースでは、イメージする色(赤)と実際の色(黄)とが異なっているわけです。
これで、混乱してしまうわけですね。
同じように、絶対音感保持者も音と何らかのイメージが結びついているため、その結びつきかたと違うイメージを見ると混乱してしまうのです。
例えば、音を色と結びつけて覚えている人の場合、「ドの音」は「白」と結びついているわけです。ですから、ドの音符が黄色で書かれていたり、ドという文字が青色で書いてあったりすると混乱するわけですね。
また、私の場合、音をピアノの鍵盤で覚えているため、この関係が崩れてしまうと非常に気持ち悪い思いをします。例えば、ピアノの調律をすべて半音下げると、混乱してしまい、うまくピアノが弾けなくなってしまいます。
このように、絶対音感を持つことによる弊害もあるのです。