絶対音感を持つ人の中には、音程について非常にシビアな人がいます。
正しい音程と比べて微妙にずれただけでも、「音程が違う!!」といって気持ち悪く感じる絶対音感保有者が実際に存在しています(私は、勝手にこのような人を「人間音叉」と名づけています。)
例えば、ラの音は通常440Hzで調律を行い、このラの音を基準にして他の音を調律していきます。
この音程で慣れてしまっている一部の絶対音感保有者に対して、ラの音を441Hzにあわせた調律を施すと「気持ち悪い」と感じる人もいるのです。
ちなみに、この1Hzのずれは、半音の25分の1くらいのずれです。
でも、一部の絶対音感保有者は、この音程の差を感じ取ってしまい、頭の中の「正しい音程」と、「実際に鳴っている音程」が違うから気持ち悪い、と認識してしまうのです。
この人間音叉の能力は、確かにすばらしい能力なのですが、隠れた問題点もあります。
というのは、「何が正しい音程なのかが、そもそもあいまい」だからです。たとえば、「ファ」の音といったときに、いろいろな「ファ」の音があり得るのです。
このことを次ページ以降、考えていきたいと思います。
ちなみに、絶対音感を持っていない一般の人でも、この調律の差によって、なんとなくキラキラした艶やかな響きになると感じる方もいると思います。クラシック音楽では、このような効果を狙って442Hzを基準音として調律することも多いようです。