人は本来的には、「純正5度」「純正3度」の和音を綺麗だと感じるようにできています。
では、現代の音楽で、このような和音が出てくるか、というと、実は、ほとんどでてきません。
なぜかというと、現在、よく使われている音律である「平均律」を使うと、「純正5度」「純正3度」の和音がひとつも出てこないからです。
つまり、私たちが聞くほとんどの音楽からは「純正律」の響きはほとんど聞かれないのです。
例外は、コーラス・合唱やバイオリン等の音程を自由に調整できるものを使った音楽の場合。
本当のプロになればなるほど、平均律とは微妙に違う音をうまく使って、純正5度、純正3度といった綺麗な響きを出しているのです。
本来、このような微妙な音程を作ろうとすると、どうしても、音律という概念とは馴染まないところがでてきてしまいます。
今まで見てきた音律を見ても明らかなように、全てのフレーズ・和音を綺麗な響きにすることはできず、どこを綺麗に響かせてどこで妥協するか、という判断をして音を選んでいかなければならなりません。
そのため、本来は特定の音律に引っ張られて音を選んでしまうのではなく、耳で聞いて気持ちいい音を選ばなければいけないのです。
このようにして選ばれた、綺麗な音は平均律で作られる音の上にはないことも多いのです。